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両側吸い出し式の大バケット内蔵
従来型のノーリアは、筒車とも呼ばれるように素朴な構造である。木製か木鉄ないし木竹製の水輪の外周に、バケットとして竹筒・空き缶・塩ビパイプなどが取り付けてある。流し掛けで設置され、使用期間以外は取り外される簡易設置型が多い。 これに対し、富山市寺町のステンレス揚水水車はまず堅牢な造りが目を引く。羽根は6枚とやや少なめ、その分、リムやスポーク部分には強度の高いL字のステンレス材を使用。汲み上げ装置はユニークで、両側吸い出し式の大型バケット(容量約60リットル)6個を羽根車本体に内蔵する。後述するが、このバケットには水の吐き出しがスムーズになるよう工夫が施してある。 このがっちりした羽根車がコンクリート水路(幅0.5メートル)にすっぽり収まっている。水路壁との隙間は10センチ弱。いわゆる定置型で、これで水の流れを十分に活用しつつ大量揚水ができるのである。(続く) 【参考】ノーリア(noria、筒車) 原動機の水輪に作業機の水汲み装置が一体化した水車。紀元前1世紀の地中海世界で他の動力水車より先行して生まれた技術とみられるが、正確には地域・時代の特定が難しい。 世界最大はシリア・オロンテス川にある「ハマの水車」直径約22mで現在(1990年)も稼働中だ。中国の黄河にかかる約15mの「左公車」も有名だったが、近年モーターに代わったと伝えられる。NHK番組「大黄河」によれば、黄河上流の寧夏回族自治区にも15m前後のノーリアがある。 日本では、近世の宇治川にあった14.5m(琴「淀の水車」が知られるが、現役だと福岡県朝倉町の重連水車群が有名。3、2、2連の計七輪で、最大直径4.76m、総潅漑面積は35haに及ぶ。室田武、河野裕昭両氏の調べでは、全国の現役ノーリアは西日本を中心に約200台、最多は岡山県の約50台。岡山県倉敷市祐安・西岡、三重県上野市上林が各20台の集中地区である。
by kingetsureikou
| 2013-11-19 04:57
| 水車雑話
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